平成29年10月に慢性腰痛について大阪大淀R.Cでお話をさせて頂いたものが、ロータリーの友4月号に掲載されました。
今や腰痛で苦しむ方はその数約2800万人、国民の4人に1人と言われています。
また、3ヶ月を過ぎても痛みが取れない慢性腰痛に苦しむ方は1400万人だと言われています。
年々、腰痛の研究で色んなことがわかってきました。
少しずつ過去の常識とは認識が変わっているものもあります。
たとえば、腰痛の原因はほとんどわからないというのが報告されています。
実は、腰痛の85%は原因が特定できない「非特異的腰痛」とされているのです。
逆に特定できる腰痛は15%だけで腰痛患者さんにとってはとても悩ましいことです。
少しでも腰痛についての現在の認識を知るだけでも腰痛改善に働きますので、短い文章ですがお読みください。
以下
THE ROTARY-NO-TOMO 2018 VOL.66 NO.4
慢性腰痛について
片岡鍼灸整骨院 院長 片岡 聡
腰が痛い状態になって3カ月を過ぎても痛みが取れない場合は慢性腰痛と呼ばれます。日本人の多くが悩む腰痛ですが、その85%は、原因が特定できない「非特異的腰痛」とされています。
カナダのマギル大学で6カ月を超える腰痛の患者18人の共通点を調べたところ、健康な人に比べて脳のDLPFC(背外側前頭前野)の体積が極端に少なく、活動も衰えていることが分かりました。DLPFCは、脳全体に痛みを鎮める信号を出していますが、その働きが低下すると、腰は治っているのに痛みだけを感じている状態になります。DLPFCが衰える原因は、強い恐怖心が関係しており、これが幻の痛みをつくっていると考えられています。解決するには恐怖心を克服する必要があります。
一度でもぎっくり腰を経験した人は相当な痛みを覚えていて、身動きの取れない状態を恐れており、その気持ちが腰痛を悪化させている可能性があります。では、恐怖から脱出する方法はあるのでしょうか。
一つ目は映像です。10日間同じ映像を見て腰痛の正しい知識を身に付け、無用な恐怖心を減らす試みを行ったところ、これだけで175人のうち、38%の人に効果がありました。二つ目は、「これだけ体操」を通じて恐怖心を脳から消すことを覚えさせます。この体操は、東京大学の松平浩氏を中心に普及に努めています。両足を肩幅より少し開いて立ち、両手の指を下向きに臀部に当てます。顎を引き、口から息を吐きながらゆっくりと上体を反らして「気持ちがいい」ところでストップさせ、三秒間そのままの姿勢を保ち、戻します。これを10回繰り返します。
一つ目と二つ目の方法で、56%の人に腰痛改善が見られました。
今、注目を集めている治療法が、痛みについての誤った認識を修正する認知療法と、痛みと行動の関係を知り、日常生活でできることを増やしていく行動療法を組み合わせた認知行動療法です。運動を取り入れることでストレスを和らげ、脳自体も変化します。勧められている運動の一つに歩行があります。歩いていると次第に心の悩みや苦しみから解放されます。全身の筋肉を動かすため、脳は歩くことに集中し、他のことに意識がいかなくなるからです。
(第二六六〇地区・大阪府・大阪大淀RCにて・同RC元会員)
お読み頂きありがとうございます。
私は、東洋医学で全てを解決することは私は望んでいません。
今考えられるベストな治療をミックスさせて患者さんの日々の生活の早期復帰を願っています。長年治療に当たっているとどの治療の組み合わせが良いかはわかります。
生活習慣に問題があるなら改めて頂きますし、ほんの小さな誰でも出来るアドバスを生活に取り入れただけでも劇的に治りが早く出るときもあるのです。
今は、腰痛をお持ちでないなら、腰痛にならないように運動不足の解消、食べ過ぎの解消、睡眠時間帯の見直しをしてください。
未病を解決することが1番の健康を保持することになりますので、日々身体と対話してくださいね。